
近年の自動車整備用工具は狭くなり続ける作業環境への対応が望まれていますが、
汎用の標準的なソケットレンチ類は過去とのしがらみや規格などの制約も多く、
細かな仕様変更は行えど大幅な仕様変更は難しい現状がありました。
このような現状を受け、私たちはこれからの自動車整備用工具はより実戦に即したコンパクトなソケットレンチこそが次世代の
「メカニックスタンダード」になると考え開発に着手。
ソケットレンチ専門メーカーとして半世紀に渡り作り続けているノウハウと情熱を惜しみなく注ぎ込んだソケットレンチシリーズとして
型式に「Z」を付した[Z-EAL]シリーズを次世代の「メカニックスタンダード」として提案します。
シリーズ全般を通じてソケットレンチとしての基本性能を徹底的に追求。スタンダードソケットはより短く/薄く、ラチェットハンドルはよりヘッドを小さく/ギヤを細かく等々、全製品にKo-kenの考える「メカニックスタンダード」を注入。また規格にとらわれない、より高いレベルでの精度管理を徹底することにより優れた使用感を実現しています。
四角の凹と凸で接合されるソケットレンチ類の凹側の寸法精度を追求。現状ISO/DIN等で定められている汎用ソケットレンチの差込角規格に合わせるとどうしても接合部同士のクリアランスによりガタつきが出てしまうことから、四角凹側を凸側の二面幅に極限まで近づけることにより、接合部分のガタつきを低減させています。
ソケットレンチ同士は四角の凸側埋め込まれた鋼球とスプリングによって保持されています。保持を受ける凹側内に設けられたボールディンブル形状を新開発し、接合されたお互いを引き付けあう作用を引き出すことに成功。接合部精度の向上と相まって優れた接合性を実現しました。
Ko-kenのラチェットハンドルの特徴である「空転トルクの軽さ」にこだわった構造のラチェット機構を開発。現在市場に広く普及している一体型の爪でギヤを押し上げる構造のラチェット機構に対して圧倒的な空転の軽さを実現。従来の2枚爪方式と同レベルの空転トルクです。
Ko-kenの考える理想のラチェットハンドルの条件である「作業の最初から最後までラチェット機構が機能する空転トルクの軽さ」と、「振り幅の取りにくい場所でも作業が可能な72歯ギヤ」、ソケット類同様「コンパクトなヘッド周り設計」とを高次元で融合させることに成功した新型ラチェットハンドルです。
接合されたお互いを引き付け合う効果のあるZ-EALシリーズのボールディンプルの特長を引き出すことのできる新構造のロック機構を開発。
全ラチェットハンドルにプッシュボタン式を設定しました。
スタンダードソケットにおいては背の低さ(短さ)を追求※。狭い箇所へのアクセスが要求される近年の自動車整備において飛躍的に使用範囲が広がります。また背の低さと同様に強く要求される外径の細さ(薄肉)も追求。最も薄肉※に設定しました。
※汎用ソケットとして当社比
最終的にボルト/ナットと接する役目を担うソケットの六角開口寸法もDIN/ISO等の規格の制約があり、規格に沿った精度設定では対象となるボルト/ナットの二面幅に対して大きなクリアランスが発生してしまいます。これらの開口寸法公差を標準規格よりも狭い範囲に設定し、Ko-kenの誇る冷間鍛造技術により高精度な開口寸法を実現しています。
また近年の自動車に多く使用されている頭の低いフランジボルトへのはめ合わせを考慮し、ソケットの先端端面から六角開口へと繋がる内面取りの角度をより浅く設定。今まで浅掛りになりがちであった頭の低いボルト類にも奥までしっかりはめ合わせが可能となり、開口寸法の精度追及と相まって、かつて無いフィット感とトルク伝達性能を実現しました。